世界の黒い鏡のような瞳に、自分の姿が映る。


「———終さん?」

口調はなにかをたどるようにゆっくりだが、いつもの西森の声だった。


「———ここは、天国でしょうか? それとも地獄?」



世界だ、と僕はこたえる。