世界がそれを求めているのなら————
なんでもしてみせよう。抗うすべなどない。
この壊れた世界の片すみで、きみを愛そう。
そのために、目をさませよ。
すべてはそこからしか、始まらないのだから————
やわらかな感触から、口を離す。
はじめは目の錯覚を疑った。あるいは、ただの痙攣かもしれないと、自分に言い聞かせる。
期待すればそれだけ、裏切られたときの失望は深いものだから。
———気のせいではない
世界の長いまつ毛が、震えている。
あえかながら、それでも生へとむかう、いつか見た白い蝶の羽ばたきのようなその動き。
扉を懸命にこじ開けているようだ。
なんでもしてみせよう。抗うすべなどない。
この壊れた世界の片すみで、きみを愛そう。
そのために、目をさませよ。
すべてはそこからしか、始まらないのだから————
やわらかな感触から、口を離す。
はじめは目の錯覚を疑った。あるいは、ただの痙攣かもしれないと、自分に言い聞かせる。
期待すればそれだけ、裏切られたときの失望は深いものだから。
———気のせいではない
世界の長いまつ毛が、震えている。
あえかながら、それでも生へとむかう、いつか見た白い蝶の羽ばたきのようなその動き。
扉を懸命にこじ開けているようだ。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)