西森世界は、極限をこえた恐怖のため、一時的な昏睡状態におちいった、とみられていた。
自己防衛のための、一種の仮死状態。
そうとしか説明しようがないのだろう。
意識が戻るのか戻らないのか。意識が戻ったところで、はたして後遺症はないのか。
すべて「現時点ではなんともいえない」とのことだった。
医師としては、そう診断をくだすしかないだろう。
健康状態に問題はなく、ただ眠りつづけているだけだ。
まるで、精神が肉体を留守にして出かけてしまった、というように。
そう担当医は表現した。
世界はどこにいるのだろう————
その想いが、ただ心を占める。
心・・・・僕にもそんなものが、あったのだろうか。
自己防衛のための、一種の仮死状態。
そうとしか説明しようがないのだろう。
意識が戻るのか戻らないのか。意識が戻ったところで、はたして後遺症はないのか。
すべて「現時点ではなんともいえない」とのことだった。
医師としては、そう診断をくだすしかないだろう。
健康状態に問題はなく、ただ眠りつづけているだけだ。
まるで、精神が肉体を留守にして出かけてしまった、というように。
そう担当医は表現した。
世界はどこにいるのだろう————
その想いが、ただ心を占める。
心・・・・僕にもそんなものが、あったのだろうか。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)