世界は、目をさまさない。
西森世界は、首に時限爆弾を取り付けられ、殺されそうになる、という稀にみる猟奇的殺人未遂事件の犠牲になった悲劇の少女だ。
そして僕は、命がけで世界を救ったクラスメイト、ということに世間ではなっていた。
悪趣味な現実よりも、救いに満ちたストーリーが、視聴者にとどけられる。
僕は否定しなかっただけだ。
学校を休み、連絡がつかないクラスメイトの行方が心配で、学校を探しまわっていた。
問われたら否定せず、それは好意的に解釈され、ストーリーが付けくわえられ広まってゆく。
僕と西森世界は仲のいいカップルだった、というのはもはや公然の事実になっている。
西森世界は、首に時限爆弾を取り付けられ、殺されそうになる、という稀にみる猟奇的殺人未遂事件の犠牲になった悲劇の少女だ。
そして僕は、命がけで世界を救ったクラスメイト、ということに世間ではなっていた。
悪趣味な現実よりも、救いに満ちたストーリーが、視聴者にとどけられる。
僕は否定しなかっただけだ。
学校を休み、連絡がつかないクラスメイトの行方が心配で、学校を探しまわっていた。
問われたら否定せず、それは好意的に解釈され、ストーリーが付けくわえられ広まってゆく。
僕と西森世界は仲のいいカップルだった、というのはもはや公然の事実になっている。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)