「人に姿を見せてはならない。
ルールを犯し、さらには任務に失敗したわたしは、人の姿で地に堕とされました。任務を終えるまで」
「なぜ、川上に僕を殺させなかった」
なぜでしょうね・・・視線を闇にさまよわせる。
「あなたはたった一人、違う星にまぎれこんでしまった異星人のように孤独で。その宿命を受け容れながら生きようとしていた」
どうやら僕は、死神に同情されていたらしい。
川上さんには、気の毒なことをしました、西森がつづける。
「終さんに言われて、わたしを襲おうとしたから。途中で気づいてしまった。わたしが、かつて彼が見た死神だと」
心底恐怖を感じたことだろう。学校に姿を見せなくなるくらいに。
西森の属する世界の “均衡” として、それは是か非か————
ルールを犯し、さらには任務に失敗したわたしは、人の姿で地に堕とされました。任務を終えるまで」
「なぜ、川上に僕を殺させなかった」
なぜでしょうね・・・視線を闇にさまよわせる。
「あなたはたった一人、違う星にまぎれこんでしまった異星人のように孤独で。その宿命を受け容れながら生きようとしていた」
どうやら僕は、死神に同情されていたらしい。
川上さんには、気の毒なことをしました、西森がつづける。
「終さんに言われて、わたしを襲おうとしたから。途中で気づいてしまった。わたしが、かつて彼が見た死神だと」
心底恐怖を感じたことだろう。学校に姿を見せなくなるくらいに。
西森の属する世界の “均衡” として、それは是か非か————



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)