お姉ちゃんが中学に入ってしばらくして。


お姉ちゃんは笑わなくなった。


作り笑いしかしなくなった。


今考えると原因なんて簡単だ。


何もかもが完璧なお姉ちゃんが憎かったんだ。他の子達は。


その頃、お姉ちゃんは自分の家柄のことを誰にも話していなかった。


次第にお姉ちゃんは酷い格好で帰ってくることがあった。



ボロボロの制服。雨が降っても居ないのに濡れた綺麗な髪。


両親には言わないで。


そう涙ぐみながら私を抱きしめるお姉ちゃんは酷くやつれて見えた。