それから俺は、予定していた留学先へと旅立った。 留学先で花菜のことを思い出さなかった日はない。 いつも花菜のことを考えていたし、記憶が戻っていればいいと願うばかりだった。 しかし、創からくるメールには、花菜が記憶を取り戻したということは書かれておらず、ただ月日が流れていくだけだった。 2年が経ち、久しぶりに日本へ帰ってきた俺はその足で花菜に会いに行ったんだ。 けれど、やはり記憶は戻っていなかった。