「えっ?…俺が好き?」

確かに言ったけど…シン君それ縮めすぎ!でもホントの事だしね

「…うん」

「うわぁーーー嬉しーーーい 
好きになって貰えるのにもっと時間掛かるの覚悟してたから
…マジ嬉しいよ」

シン君は黒目がちな瞳をキラキラさせて嬉しそうに笑っている

その顔を見ていたら
あぁー私はシン君が好きなんだって初めて自覚して
ドキドキして顔に熱を感じて両手で顔を押さえて俯いてしまう
私の顔きっと真っ赤なんだろうな?

デートの帰り道
馴染みのある通りをシン君とこんな会話をしながら歩くとは思ってもいなかった

「…音ちゃん」

シン君の呼びかけに思考が遮断される

「はい」

私の手を掴みスタスタと歩きはじめるシン君

「あっ!」

そこは私と佳乃たちの卒園したミッション系の幼稚園

敷地内ある教会の囲うように聳え立つ大きな木の前に来ていた

ちょっと前まで日曜礼拝で人で溢れかえっていたはずの場所

でも今は不思議なくらい静かで人の気配が無い

そんなことをぼんやり考えていたらシン君が大きな掌で私の顔を包み込んで先程とは違う
真剣な表情で顔がどんどん近づいてくる

「えっ!この場所で?」

目を見開いたまま固まってしまった私はその場でファーストキスを体験する