ホントにそんなことがあるかは分からないけれど…
「はい!頑張って無視出来るようにしてみます」

音の返事に新之介さんは力なく笑っている

今まで会っていたのは、少し薄暗いBarの中でだけだったから
昼間の明るい場所で新之介さんに会うのをとても新鮮に感じる…

でも会ってから何故か新之介さんが私の顔を真っ直ぐに見てくれなくて
心配が的中したみたいでショックを受けた…

まずはお昼を食べようと2人で人気の洋食屋さんに向かう

2人ともふわとろ玉子のデミグラスソースのオムライスを注文

スープとサラダを食べながら新之介さんに聞いてみる

「今日の私を見て新之介さんガッカリしましたよね?
昨日はプロの方にヘアメイクをして貰ったから良く見えただけで…」

俯きがちに喋る私を新之介さんは心底驚いた表情で見つめている

「あぁー俺が音ちゃんをまともに見ないから勘違いさせちゃったのか?
彼女の顔が眩しすぎて…直視できない…何言ってるんだオレ…
そーいう訳なので…慣れるまで暫く時間をください」

新之介さんは真っ赤な顔で正直に話してくれた

その言葉に私も負けじと真っ赤になった…
でも照れながらも嬉しくて…
心配も吹き飛んだためか?
デミソースのオムライスの味がいつも以上に美味しく感じた