あの日オルフェでマスターを加えた8人は
終始とても楽しく和やかな雰囲気だった…

帰り際、またオルフェで一緒に飲もうと龍之介さんが言い出し、
そこで互いの連絡先を交換し合い登録を済ませたのだった…

今日は佳乃が籍を置く教育学部の学食でランチ

偶然手に入れてしまった「松田新之介」と登録された松田さんのアドレス
私から連絡を入れることは決してないけれど…

そんなことをぼんやり考えながら3人に視線を向けると
佳乃・優花・智美の3人が楽しげに何かの計画を立てているようだった…


「音…明日は一日空けといてよ

えっーと午前中にメガネ屋と眼科に行くから診察券と保険証が必要で…

あと午後から美容院の予約も入れるし…

買い物もするからキャッシュカードも忘れないでね

…お年玉やお小遣い 全然使わないから大分貯まってるでしょ?

だから少し散財してもイイよね?」


私に確認しているようでいてほぼ決定事項‼


私は用意するように言われた物を準備して約束の場所に行くしかないみたい


翌日待ち合わせのカフェに到着したら、いつもは時間に遅れがちな優花をはじめ3人が既に席にゆったりと座り
本日のコーヒー・カフェオレ・ミルクティーをそれぞれが美味しそうに飲んでいる

「「「おはよー音」」」

「おはよー
私…待ち合わせの時間を間違えてた?」

「うーうん 優花じゃあるまいし…音が待ち合わせに遅れたことなんてないよ
私たちが落ち着かなくて早く来ちゃっただけ、気にしないで…」

「佳乃…私をいちいち引き合いに出さなくていいから…」
ブー垂れている優花に苦笑いしながら3人に聞いてみる

「ねぇーそろそろ私にも今日何があるのか教えてくれる?」

「まぁ~まず席について注文して、飲みながらゆっくりね」

タイミングを計ったような店員がお冷を持って来たのでカプチーノを注文する
甘いミルクとスパイシーな香りのシナモンがコーヒーの味をまろやかにする
その美味しさに思わず顔がほころぶ…

それから3人に視線を向けるとニヤニヤと思わせぶりに笑っている