俺の隣に佳乃ちゃんが座ることは何となく分かっていた。
でも美女にジッーと値踏みされるような
注視にはやっぱり緊張する

「松田さん…」

佳乃ちゃんが俺に話しかけると兄貴が「なに?」って返事してる

「紛らわしいので下の名前で呼びますね!新之介さん」

「長ったらしくて呼び辛いでしょ、シンって呼んでイイからね!」

「じゃあシン君で…」

俺にだけ聞こえる声量まで声を落とし佳乃ちゃんが話しかけてきた

「早速で何ですが…
シン君、先週の音に「君のこと教えて欲しい」的な発言の真意は?
それってやっぱりメガネ外した音を見たからですか?」

真剣な佳乃ちゃんの表情に、うやむやに誤魔化せないと腹を括る

「うん!無いとは言い切れない…」

ガッカリした表情で「…やっぱり…」と呟く佳乃ちゃん

「佳乃ちゃん…出来れば話を最後まで聞いて欲しい…」


「初めは…美女3人と地味な子の取り合わせが単純に気になって彼女に興味を持った…

傍に座ったら君たちの話しをいろいろ聞かせてくれて…音ちゃんはホントに君たちのことが好きなんだって分かったよ
君たちからは女性同士の駆け引きと言うか…腹の探り合いを感じさせないことにも好感が持てたしね
君たちのしていることは称賛に値する

でも……」

ここで一旦言葉を切って言い淀んでしまう

「でも…何ですか?」

少しイラついた佳乃ちゃんから続きを促される

「…でも…そろそろ彼女を自由に羽ばたかせてあげてもいいんじゃないか?」

俺の言葉にショックを受けた佳乃ちゃん…目を見開いて俺の顔をガン見している

怖っ‼