ぼーっと庭の緑を眺めていると、白髪の男が木の傍にいたような気がした。ん?と首を傾げた途端、もともといなかったかのように同じ風景が目に入る。 「んー?」 気のせいか…。 ーーーシャランッ 不意に聴こえてきた鈴の音に不思議と不信感はなく、心地よい音色に興味が湧く。 音のした方を振り向くと、そこには綺麗な紅葉の中に佇む一人の男の姿があった。