わたし、柊は今日で15になる。
…かといって見もせぬお父様やお母様に会えるわけでもない。

誕生日など、無いに等しいのだ。

小さい頃からお手伝いさんに囲まれ生活をしていた。成長していくにつれ人数は減って行き、今は1人しかいない。

その1人も今日で解任。

生きる術は身についたものの、何の夢も無い。ただただ生きているだけの日々。

「狐様、お召し物をご用意致しました」

つまらない。つまらない。

でも、生きてないといけない。

それがわたしの役目だから。