「何を言っている無礼者。柊様に不適切なことを言うな」
「う、宇久!」
「柊様。すぐにこの国を収めている殿下がここにきますので、もう少々お待ちください」
そう言うと部屋に備え付けてあるティーセットで紅茶を入れてくれた。
……私の分だけ。
「おい、俺のはねぇのかよ!?」
「私が仕えるのは柊様だけですので」
「なんだそれ!?」
なんだか夕凪に悪いと思い宇久に頼んでみることにした。
「宇久、夕凪にも紅茶を入れてあげて」
「はいかしこまりました」
意外にも笑顔で何一つ文句を言わずに動いてくれた。
それに夕凪が顔を歪めたのは言うまでもない。
用意し終わった宇久におずおずと気になっていたことを聞くことにした。
「あの、私に仕えるって……?」
「柊様は巫女様ですので、その方に仕えるのは当たり前でございます」
「え、私って……巫女様なの?」
「はいそうでございます」
パリーンッと音がし目を向けると夕凪がカップごと紅茶を落としていた。
「え……巫女様って村を纏める、殿下と同等の権力をもつっていう……」
「それが柊様。巫女様でございます」
「ええ!!!」
再度驚く夕凪は、落ちたカップに気がついていないようだ。
あたしはもちろん、話についていけない。
「ね、ねぇ巫女様ってそんなに偉いの……?」
「巫女様って言えばこの狐の土地の半分を占める村を治める人だぞ!?殿下は町を治めている人であって……」
半ば混乱している夕凪に冷静に落ちたカップの片付けをしている宇久。その中にいつの間にかもう一人増えていることに気がついた。涼しげな金髪に軍服のようなものを着た偉そうな人が二人を眺めているのだ。

