巫女様は荷が重いです…!



夕凪のことを言っていたからおそらく知り合いなのだろう。

それよりも夕凪を待たせてしまっているのだ。

目を閉じ、神経を研ぎ澄ませて幼少期の自分を頭に思い浮かべる。

数秒ののち、そこには10歳ほどの少女が現れる。ーー柊だ。

柊は視線の位置が下がり服が身体に馴染んでいることを確認する。上手く変幻できたようだ。

変幻は失敗すると背丈だけが小さくなり顔はそのままで、小さいおじさんみたいに見るに耐えない姿へと変わる者もいるのだ。もしくは服が変幻していないかだ。

柊自身も変幻など気まぐれにやってお手伝いさんたちを驚かせていたくらいだ。ここ1年ほどやっていなかった為上手くできているかは気になるところ。

姿鏡の前に立ち確認する。

そこには確かに幼少期の柊そのものが映っていた。

今より少し幼い顔立ちに大きな瞳。頬の赤味が可愛らしさを引き立て、色白の肌は雪のよう。

「柊ー?大丈夫かー?」

外から夕凪の声が聞こえてくる。変幻にも失敗していないし、柊は急いで夕凪の元へと向かった。






大きめの石に座って空を見上げる夕凪は素直にかっこいいと思う。

建物から出ると目に入った景色に目を奪われる中、夕凪が中心になって…絵画を見ているような気分になる。

夕凪、人気あるだろうなー。

優しいし整った顔立ちにサラサラの紺色の髪。外からきたわたしを休ませてくれるし。


ーーほんとに良い人


「……君、どうしたの?」

「は、はい!」

ぼーっと考えを巡らせていると、いつの間にか目の前に夕凪がいた。覗き込むように顔を寄せ、こちらを伺っている。なにぶん、こういう事には慣れない柊。どうしたらいいのかと迷いながらも顔が自然と熱くなる。


「あれ、なんか柊に似てる…?」

「えっと、一応柊…なんだけど…」


…そんなに変わるかな?ただ小さくなっただけなんだけど


「へ〜!変幻か〜。小さくて可愛いなぁ」


優しく微笑み頭を撫でられる。


「子供好きなんだね」

「あぁ、可愛いよな!素直で無邪気で。でも柊雰囲気同じだな。小さい頃から不思議な感じ?」