高隙山の麓にある霧砡家

古きしきたりを忠実に守ることによって栄えてきた、狐の一族。

狐と言っても霧砡家にはわたししかいない。
当代のお父様は、血を持っているだけだそうだ。

狐の子は年月を重ねるごとに産まれなくなっている。人間と交わる事で血が薄れていく。


しきたりの一部にこんな文がある。

産まれた子が男の狐であった場合、その家の当主にする事。
産まれた子が女の狐であった場合、山の頂上に屋敷を建て、そこに住まわせる事。


今までに使われた事があったのか、頂上には1人で住むには大き過ぎる屋敷が建ててあった。