「柊様にはどうか、狐の村へ連れて行く許可をお願いします」
「いい、許可する。連れて行ってよ」
「…承りました」
青年が顔を上げ視線が交わると、右手を差し出し珍しく真剣な表情で言葉を発する。
「お迎えに上がりました柊様。我が名は宇久。貴女様へ忠誠を誓う身。この手をとって頂けますか?」
ーー宇久は、まだ何か大事なことを隠している気がする。
でも、世界を広げたいというわたしの意思で君の手を取るよ。
柊は完璧なまでの微笑みで少し冷たい宇久の手をとった。
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