やがて青年はすぐ目の前までやってくると、柊に膝まづいた。顔を上げ柊と視線を合わせると、ニコリと微笑み静かに口を開く。


「お迎えに上がりました。柊様」


まるで、この時を待っていたかのような口ぶりだった。

「えっ、えーっと…?」

いきなり見知らぬ青年によく意味のわからないことを言われ、混乱する。

「と、とりあえず君は誰?ここは入ったら怒られるよ」

青年は、なお微笑みながら安心してくださいと言う。

「大丈夫ですよ。僕は柊様をお迎えにまいりましたので」