「キタ~~~ッッッッッ」
心の中で叫んだ。

実際には「ウォァッ」という声にもならない恥ずかしい音だったらしいけど。

片思いのサムライ君が店に入ろうとするところだった。

横には可愛い女の子が一緒にいた。
笑いながら、品物を選んでいた。

あたしはサムライ君に見られないように、もっと暗いところに移動しながら、店の中のようすを伺った。

よ~く、考えてみたら、サムライ君、あたしのこと。覚えてもないかも知れないから、隠れる必要もないねんけど。


横で、美悠がクスクス笑っている。

「あれ、サクラの片思いの彼やないの。幼稚園の時と顔変わってないやん。すぐにわかったワ。例の待ち受けの写真・・・・」

あたしは、シドモドした。
頭の中がグリグリ世界三周した。