あたしの前に立った美悠は、少し照れくさそうにこう言った。
「ごめんね」

今までに見たことがないほど、大人っぽく、妖艶という言葉がチラチラし。
脳髄をウズウズさせるほど美悠は「女」だった。

倖田來未風の服を着ていた。あたしの見たことのない美悠のファッション。


「相談って、もしかして・・・あの彼氏のこと?」

「うん」
美悠は、下を向いたまま、小さく頷いた。

あたしたちは、ファミレスでも、マクドでもなく、ローソンの駐車場の暗いところに座り込んだ。
生ぬるい缶コーヒーをすすりながら。


「できてしもてん」
美悠が、空を見上げながら告白する。

咄嗟に、なんのことか解らへんふりをした。

「おでき?それとも秀樹?」
笑いで、誤魔化そうとしたけど、失敗した。

私たちは30分以上も黙ったまま、暗がりに座ってた。

黙っていることに戸惑った私は、ローソンの入り口に目をやった。