サクラ 満開!

思い出すまでに、数秒を要したが、「そんなの関係ないっ」


背中に羽根が生えて、地上から5センチほど浮き上がっているような心持ちでニヤニヤしていると。


タクトがそれを遮った。


「知り合いなん? 自分ら。
まあ、ええわ。
サムライ、これ、うちの飯係」


「めしがかり~ぃぃぃ?」

そりゃないだろ、そりゃあ (--#)

あたしには、サクラっていう立派な名前が・・・・。

と頭の隅で怒りながらも、あたしはニコニコがやめられなかった。


半分、作り笑顔っぽかったかも知れないけど。



メニューは、カレー。

実をいうと、お料理はあまり得意ではない。っていうか、基本 出来ない!

唯一、ほめてもらえるのが「カレーライス」やったりする。

コツは、仕上げにチョコレートを入れること。

そうすると、丸一日、煮込んだ味になる。

おばあちゃんに教えてもらった、唯一の味や。

「伝承の味」って、いうわけやね(*^_^*)ノ



男7人が、自分でよそった白いご飯の入ったお皿を手に一列に並ぶ。


私は、カレー鍋の前で、レードルを手に順番にカレーをよそう。


救援物資の配給みたい。←いつの時代の人間でせう・・・。


もしくは、小学校の給食の時間。


サムライ君の番、カレーのお皿を渡す時、手と手が触れた。


1秒の千分の1の短い時間だったかもしれない。

一瞬というより、もっと短い時間。

なのに、永遠にサムライ君の手に触れているような気がした。