オカンは、首を振りながら答えた。

「子供がこども産んでどうすんの
高校かて、途中やし。
相手は誰なん?
結婚ていうのは、二人だけでするものと違うのよ。
そんな、簡単なものやないの。」

1オクターブ高い大きな声。
あたりまえやけど、怒っている。

「けど。産むの。
たーくんと一緒に決めたんやから!」

「相手はたーくんって、言うん?
それで、たーくんの親御さんは?何て?」

「いてへん。
たーくんは一人で生活してるん」

「そんな家の子と?どうやって?
生活どうするの?」

オカンは、眉根にシワを寄せて頭を抱えている。

「それやったら、一回たーくんっていう子に会わせて。
お父さんには、それまで、黙っておき。解ったね」



一週間後、オカンとたーくんを会わせることになった。