郁「ははっ、あの時みたいに足を滑らせたりしないように気を付けないとね。」





なんて、苦笑いをしながら足を進めていると、目の前を何かが横切った。


郁「わわっ!!?……………って、兎か。」





赤茶の毛色をした兎は、少し先で立ち止まると、木の穴の中に入っていった。


郁「兎は良いなぁ。小さいから何処でも雨宿りが出来るもんね。」





すると、兎が入っていった穴を横目に歩き出した郁の耳に、不可解な音が聞こえた。


一一一一一すかっ


郁「え、一一一一一ぅわぁぁぁああ!!!!」





それは郁の足が空を踏んだ音で、そのまま郁は川に落ちていった。