郁の出で立ちは、袴を穿いて腰には刀を挿している。


更に笠を被って顔を隠して、男の旅人に化けていた。





そして廉と侠に見送られるなか、郁はその足で長州を出て京を目指して歩き始めた。


長州から京までとなると、それなりに距離がある。


つまり、数日かけて移動するので、天気が崩れることがある。





一一一一一ざぁぁぁ


郁「はぁ…雨が降るのなら、こんな道を歩こうと思うんじゃなかったなぁ……………」





そう、今は森の中。


郁は近道の為に、道なき道…つまり所謂"獣道"を進んでいたのだ。