True〜新選組と消えた記憶〜





土方は、言うだけ言うとさっさと部屋に入っていった。


薫はと言うと、猫は捨てたくない。


でも捨てないと部屋に入れない、の板挟みでその場に立ち尽くしていた。





薫「猫ちゃん、もう少し我慢しててね。」


猫「にゃーん」





それから1刻が過ぎた。


その間、薫はずっと庭に立って雨に当たっていた。


薫「…っくちゅん!!」


猫「みゃあ〜………みゃっ!!」


薫「あ、猫ちゃん!!?」





すると猫は、急に薫の腕から逃れて何処かへ行ってしまった。


薫は猫を追い掛けようとしたが、手足に力が入らず、そのまま意識を手放した。