夢の中で廉という名の男と視線を交差させてから1ヶ月が過ぎた。


あの夢を見てから薫は、ぱったりと夢を見なくなった。


しかし、投げ掛けられた言葉は薫の胸の中に重くのし掛かっていた。





そんなある日の朝。


薫が夢のことについて考えていた時の事だった。





猫「にゃあ」


薫「………弱点、弱点……………」





猫「にゃあ、にゃあ」


薫「うーん、………土方さんの弱点……………」





猫が薫の目の前で鳴き声を上げている。


しかし薫は、考え事をしているせいで猫に全く気付いていない。