True〜新選組と消えた記憶〜





一一一一一ぎゅっ


土「良かった………間に合って、本当に良かった……………」


薫「土方さん……………」





薫を抱き締める土方の腕は微かに震え、土方の声は聞いたことがないほど弱々しいものだった。


それに驚いた薫は、土方を見上げた。


しかし、土方がより強く抱き締めてきたため、土方の顔は見ることができなかった。





すると薫は、自らの腕を土方の背中にそっと回して呟いた。


薫「ありがとう、土方さん………」





土「何処も、怪我してないよな?」


薫「うん。」





薫が土方の腕の中で頷くと、土方は少し抱き締める力を弱めた。


そして、薫の肩に顎を乗せて口を開いた。