True〜新選組と消えた記憶〜





そう言って土方が不気味な笑みを浮かべると、浪士は刀を引いた。


そして刀を収めるとその場から立ち去った。





それを見送った土方は、溜め息を吐くと刀を収めた。


そして、座り込んでいる薫の方を向くと腕を引いて立ち上がらせた。


すると、土方は無言で薫の手を掴んで歩き出した。





薫「土方さん………?」


土「……………。」


薫「土方さん!!」


土「……………。」





薫は、無言で歩き続ける土方に声を掛けるが、土方から返事はない。


そして、そのまま屯所の門前まで来ると、土方は不意に薫を振り返った。