しかし……………
一一一一一かきーんっ
薫の耳に入ってきた音は、肉を斬る鈍い音ではなく金属同士をぶつける音。
そして、いつまで経っても身体に痛みを感じないことを不思議に思った薫は、恐る恐る目を開いた。
すると目の前には、この場に居るはずのない人の背中があった。
土「………大丈夫か、薫。」
薫「……………土方、さん?」
土方は、薫に振り下ろされるはずだった刀を、自分の刀で受け止めていた。
すると、薫の呟きを聞いた浪士の顔が青ざめた。
浪「土方………だと!!?」
土「あぁ、新選組副長の土方歳三だが?」

