True〜新選組と消えた記憶〜





屯所から出た薫は、形振り構わず京の町を走っていた。


涙を流しながら走る薫を見ても、京の人は誰一人として声を掛けない。





そして暫く走って息が切れる頃、薫は走るのをやめてゆっくり歩いていた。


薫「…っく、ひくっ……………うっ………」





この時、薫はさっき屯所でのことを思い出していた。


感情に任せて出てきたのは良いが、この先のことなんか何も考えていない。


これからどうしようか、と薫が考えていた時、角から人影が出てきた。





一一一一一どんっ


薫「きゃっ!!?」


?「いってぇなぁ………危ねぇだろうが!!」