True〜新選組と消えた記憶〜





土方を見据えた左之の目は、いつもに増して真剣だった。


土「………何だ。」


左「あんたは………薫をどう思ってる?」


土「どうって、俺は………」





そこまで言った土方は、少し前の事を思い出した。


それは、山崎から報告を受けていた時の事だった。





土「間者だと!!?」


烝「えぇ、長州が9月頃に間者を送ったようです。」


左「9月?そんな時期に隊士なんか入ってきたか?」





左之の言葉を聞きながら土方は1人、考えに耽った。


そう、確かに9月頃は隊士は入ってきていない。


入ってきたのは……………薫ただ1人。