あたしは無意識に立ち上がっていた。 「か、帰ります」 「送るよ」 「いいです…ひとりにさせてください」 あたしはサヨナラも言わず家から出た。 階段をかけ降りて家へと走っていく。 涙は止まらない。 なんでそんなに悲しいの? ただの友だちだったからこうされてびっくりしたの? こういう人だと思ってなかったから? それとも……こういう形で始まってしまったから? 混乱する中で何度もフラッシュバックするあの時の光景。 「ただいま」 「おかえりなさい」 お母さんの顔も見ずにあたしは部屋に入った。