顔は暗くて見えない。 ぼーっとしているとゆっくりとしゃがんであたしの隣に顔が来る。 メガネをかけた彼は優しそうな顔をしていた。 モテ過ぎず、モテ無さすぎず。 そんな感じだ。 「ネコ?」 「あ、はい…」 「…びしょびしょじゃん」 あたしに傘を預けるとゆっくりと抱えあげた。 「うん、かわいいね」 すごく愛おしそうにネコを見た。 「名前は…」 「名前?」