ただ、佇む。 どれくらいそうしていたんだろうか。 あたしはもう一度しゃがむ。 「寒いね…」 どうしたらいいんだろう。 家はダメだし。 かと言ってきっと屋根の下にやっても逃げちゃう。 すると、いきなりあたしたちの上から雨がなくなった。 「へ?」 上を見ると、見たことのない男の人が見下ろしていた。 雨が傘の上に落ちる音しか聞こえなかった。 「何やってるの?」