目の前に小さなネコ。


あたしと同じでびしょびしょ。


違うのは目力の強さ。


「ひとりなの?」


意味もなく、しゃがみこんでネコに話しかける。


不思議とネコは逃げない。


ただ、まっすぐにあたしを見た。


「…明日から頑張るね」


なんだか、エールをもらった気持ち。


ゆっくり立ち上がる。


雨に濡れてるこの子を見捨てるのはとても心が痛む。


エールをもらったのにあたしは何もできない。