中にいたのはたくさんの管に囲まれた麻陽。 包帯でぐるぐる巻。 その姿に痛さが伝わってくる。 「これ…」 「…麻陽ね、サッカーしててゴール枠に頭をぶつけたの」 「麻陽、起きますよね」 「もう意識は戻らないかもしれないって言われたわ」 言いながら、麻陽のお母さんは泣き崩れる。 「嘘だろ…」 遥翔も俺も何も言えなかった。 起きろ、とか何も。 ただ目の前に起きていることを受け入れようとするだけで精一杯だった。