「奏響、ごめん」 「いいよ、謝んなくて。 ただそれだけ言いたかったんだ。 隅っこにおいといて。俺の存在」 それだけ言って俺は教室を出た。 そのあとに女子たちが何か言ってたけど気にしない。 失恋でぼろぼろなこの時に言う俺もどうかしてる。 「……帰ろ」 かばんも持たず、靴を履き替えて高校を出る。 風が、日差しが、すべてが。 俺を非難しているようだった。