「奏響…」 それはたしか真冬の夜。 いきなり、家のインターホンが鳴って出てみたら冷たくなっている麻陽がいた。 「麻陽?」 「奏響…あたし、振られた」 「えっ?」 「…あたしがしっかりしてなかったから…あの人のことわかってあげられなかった」 「麻陽、とりあえず中に入んなよ」 凍えている麻陽を家の中に入れて、あっためてあげた。 毛布やストーブ、いろいろと。 「ごめん、ありがとう」 そう言って笑った笑顔は今まで見たことのないくらい悲しそうな笑顔。