少し歩くと、新しくできたばかりのアパートがあった。
綺麗なアパートで羨ましいなと思っていたところ。
2階に上がって中に入れてもらうと、
玄関で寝っ転がっていたのは昨日のネコだった。
「かわいい!」
「昨日、お風呂にも入れてご飯も食べさせたら元気になったよ」
くくっと笑って靴を脱ぐと中に入っていく。
「どうぞ」
あたしはネコを抱き上げて中に入った。
「レイは気に入ったみたいだね」
「へ?」
「すごく、安心してるような顔してるもん」
コートを掛けてキッチンへ行く男の人。
そうだった。
ネコじゃない、
レイだ。
あたしと同じ名前のレイ。


