「あの…」 「あ、うん」 メガネの奥からあたしをまっすぐ見つめてくる。 あたしはなんだか恥ずかしくなって1回うつむく。 「どうしたの?」 「あ、いや…傘を返そうと…」 「お?あぁ!昨日の!」 思い出したようににっこり笑って頷く。 そして傘を見てもう一回頷いた。 「返しに来てくれたの?」 「あ、はい」 「ありがとう!」