封船屋

「おまたせ。紅茶でよかったかしら?」

「はい!!!あ…、ありがとうございます。」

考えていたときに、いきなり話しかけられたので、声が上擦ってしまった。

少し恥ずかしくなり、目の前に出された紅茶に、角砂糖とミルクを入れ何事もなかったかのように一口飲んだ。

茶葉の香りが口一杯に広がった。
ここの紅茶はいつ飲んでもおいしい。


「最近…」

「え…?」

「いや、最近海音ちゃん来なかったから、もうこんなおばあさんと話すことに飽きたのかと思ってたの。
あ、ごめんなさいね。変な意味じゃないのよ。
あなたにも予定がいろいろあって忙しかったんだろうし…」