封船屋

「え…、そんな高価なもの頂いたら、悪いですよ!」

「そんなに高価なものじゃないし、気にしないで。

海音ちゃんはいつも来てくれるお得意様だから、何かお礼がしたいの。
私のささやかな気持よ。是非受け取って。それともご迷惑かしら?」


「そんな、全然迷惑じゃないです!!!」


「なら、どうぞ受け取って。」

そう言うと、私の手の上にそっと置いた。
かすかにラベンダーの香りがした。


「ありがとうございます。大切にします!!!」

てのひらに乗った陶器の花とお香を丁寧にハンカチに包み、鞄の一番上に入れた。