封船屋

「え…と、今日は行かないかな。」


「えー、どうして?テスト前に行かないなんて珍しいじゃん。」


天然なのか、作っているのか彼女の話し方は、わざとらしさかった。
陰で彼女は“ブリッ子”と呼ばれていた。


「…ちょっと用事あるから、今日は家でやろうと思って…」

「そうなんだー。しかたないねー…また今度いこうね!」

言い終えないうちに、違う友達のところへ走っていった。

「…あんたも大変だね。」

後ろの席の菊池小春がぽんと私の肩に手をおき、慰めてくれた。

中学からずっと同じクラスだった。さばさばした性格で、誰とでも仲良くなれるタイプであり、運動神経が抜群によかった。

性格は違ったが気があった。一番仲が良く、良く遊びにも行った。