恋が運ばれて

男の左腕はウエアが破れて血が出ていたし

右脚もどうかしたらしい。

「早く中に入って、手当てしなきゃ、さっ早く!」

私はびっこを引く男に肩を貸して中へ入った。

ソファに座らせて救急箱を開けた。

腕の切り傷は見た目はひどかったが

今は血も止まっていた。

問題は脚だ。

「どこ、どこら辺を折ったの?」

「バカだな、折るわけないだろ、打っただけだ。」

私は男が痛がる個所に湿布を貼った。

「少し冷やして様子を見た方がいいわ。それとも救急車を呼びましょうか?」

「いや、呼ばなくていい。すぐ帰る。」

「でもそんなんで帰れるの?」

「そうだな、無理だ。俺が思うよりもひどいらしい。」

「何か飲む、ジャスミン茶でいい?」

「ありがとう。俺は風間茂。」

「私は桜井紗由。」