それでも好きだから。




「いやいや~。
俺のこと覚えてるかわかんないもん」



…なんて、らしくないことをいう。
クラスで1番のお調子者は
拓弥くんなのに。



「大丈夫でしょ~」

「そういうなら
塚永いってこい?」

「え、なんであたしなの~!」

「大丈夫、なんだろ?」



得意げに口角をあげると
千夏と拓弥くんは、
あたしの背中を押した。



「きゃ…っ」



そのせいで、
原谷くんの周りに集まっている子たちの
すぐそばで倒れそうになる。


でもなんとかして
あたしは倒れないで済んだ。


「…ちょ、塚永さん大丈夫?」