それでも好きだから。




「で、本題に戻るけど」

「あ、電車来た」



千夏が話に戻そうとした時
いつも乗る電車が来た。


通勤ラッシュだけど、
一番前に並んでいたあたしたちは、
ギリギリ座れた。


「はい、続き」

「えぇー…」

「質問答えて?」

「…告白されたのは今までで…
うーん……、9回くらい?」

「ふむふむ」

「男の子が顔赤くなったこと…?
そんなのわからないよ」

「うん、杏奈らしい」


千夏は何か考えると
手をパンと軽く叩いた。