それでも好きだから。





塚永と話すのは他愛のないこと。
中学時代の思い出だったり、
俺の部活のことだったり、
塚永のクラスのことだったり。


塚永の口から、
男の名前が出ると
俺、こんなに敏感になるんだ


って実感したのは
付き合ってからのこと。



「それでね、拓弥くんがね…」



俺のことは「林田くん」と呼ぶのに
拓弥のことは、「拓弥くん」って名前呼び。


まぁ中学校からクラス
一緒なわけだから
仕方ないと思うんだけど。



「なぁ、塚永」

「…?」

「俺の名前、覚えてる?」

「え…、そ、そりゃわかるよ?
林田くん、でしょ?」



そこで俺は大きなため息をついた。
確かに、林田 も名前は名前だ。


でも…


「違う、下の名前」

「え、下の?」

「うん、覚えてる?」

「…っわ、わかるよ?」

「じゃあ呼んでみて?」