「杏奈!どこ行ってたの?」
「あ、ごめんね?
侑くんと話してたら…」
「はぁ!?侑くん!?」
「ちょ、声大きいよ!」
グラウンドに戻ると
帰る支度をしている部員の子たち。
千夏が大声を出すから、
部員の子たちは、
あたしたちの方を見た。
「え、なに、侑くんって、は?」
「ちょ、ちょっと…」
「え、どこか行ったと思ったら
あの転校生と2人きり?」
「え、あ…」
「はあ~…っ。
杏奈なにやってんの?
せっかくあたしが…」
「ち、千夏!」
1人でぶつぶついってる千夏を、
あたしは止めた。
「あのね、うん…
えっと、歩きながら話すね?」
あたしがそういうと、
千夏はしぶしぶうなづいた。

