翌朝、杉山さんと医務室へ行った。

「先生、おはようございます。」

「ぐっすり寝たかな?少し強い薬を出したから。

脚を伸ばして、チューブを変えよう。」

先生はナースに指示した。

ナースは昨日と違うチューブを私の傷口に塗り、

新しいフィルムを貼ってネットを被せた。

「このチューブを3日塗りなさい。フィルムは毎日取り替えること。

シャワーならいいが、湯船は4日目から。

もし傷口が炎症を起こしたら必ず病院に行きなさい。」

杉山さんがのぞいた。

「先生、どうですか?どのくらいで治りますか?」

「大丈夫だ。黒川さんの彼は心配性だね。

昨夜はさすがに手が出せなかっただろう。

今夜からならいいだろう、許可する。」

彼は先生を軽くにらんだ。

私は小さく笑った。

医務室を出て、私達はそれぞれ帰り支度をした。

ロビーで待ち合わせ、約束通り彼に送ってもらった。

「杉山さん、送ってくださってありがとうございます。助かりました。」

「いや、痛い思いをさせて悪かった。

金曜の夜、連絡するよ。帰りは君と話せて楽しかった。じゃ!」