彼は私の腕を支えるように誘導した。

「ラウンジでひと休みしよう、もう少し歩ける?」

二人で温かいものを飲みながら話をした。

「俺は杉山将。君は?」

「黒川華です。あの、ご迷惑をかけて申し訳ありませんでした。」

「いや、俺の方が謝らなきゃならない。脚にケガをさせたのは俺なんだ。

本当に申し訳なかった。これ以上なんと誤っていいかわからない。

明日の朝、俺も一緒に行っていいかな?先生に診てもらうだろ?」

「大丈夫よ、傷は深くないもの、心配性なのね?」

「いや、今夜は気になって眠れない。俺も行っていいだろ?頼む。」

「ええ、そんなに言うならどうぞ。」

「よかった。ウエアも弁償したい。君の連絡先を教えてくれないか?」

私達はメルアドを交換した。

「折角の温泉に入れないな、悪かった。」

「ううん、私もいけなかったの。全身真っ白で雪の中にいたんですもの。

これからは気をつけます。」